ブログ(院長の独り言)
本日、リアルワールドデータを活用したHPVワクチン接種状況可視化サイトが一般公開されました。
2025年5月の広島県の接種は、
全世代で単月接種率0.2%、単月接種人数112人、順位33位
高校1年生相当で単月接種率0.3%、単月接種人数32人、順位29位
と全国的にみても接種率が低いです。
他国と比べても日本では未だにHPVワクチンの接種率が低いのが現状です。
日本では毎年11,000人の女性が子宮頸がんを罹患し、毎年約3,000人の方が亡くなっています。
交通事故と同じくらいの死亡者数で、25歳から40歳女性のがんによる死亡原因の第2位が子宮頸がんとなっています。
2024年7月22日のブログでもお伝えしましたが、20歳代、30歳代女性では癌罹患数の第1位が子宮頸がんです。
HPVワクチン接種で、約90%の予防が可能です。
第1回目を15歳未満で接種すれば、合計2回の接種で十分に効果があります。
高校1年生に相当する女子は半年間で合計3回の接種が必要ですので、この夏休みが最後のチャンスです。
私の外来でも接種を勧めていますが、「痛いのは嫌!」と接種を拒否される方が多数いらっしゃいます。
子宮頸がんに罹患する方がもっと嫌なことであることを自覚してほしいです。
年齢階級別がん罹患数と順位(2019年)
部位
(罹患数) |
1位 |
2位 |
3位 |
4位 |
5位 |
20歳代 |
子宮頸部
(2,843) |
甲状腺
(639) |
卵巣
(414) |
乳房
(332) |
悪性リンパ腫
(175) |
30歳代 |
子宮頸部
(10,406) |
乳房
(4,020) |
甲状腺
(1,366) |
卵巣
(823) |
子宮体部
|
2025年7月11日
ワクチンJAPAN(by M3総研)
5月20日に案内した新しい経口避妊薬(スリンダ錠28)の発売日が6月30日になりました。
静脈血栓症のことが心配で経口避妊薬の服用を躊躇されていた方には朗報です。
今までは喫煙、肥満、高年齢、高血圧、片頭痛等で静脈血栓症のリスクのある方には経口避妊薬を勧めていませんでした。
新しい経口避妊薬がこれら静脈血栓症リスクのある妊娠を望まない女性の避妊の選択肢となります。
経口避妊剤としての発売のため保険診療はできませんが、排卵を抑制する作用がありますので月経困難症や過多月経等の月経に伴うトラブルにお悩みの女性にも有効と考えます。
薬価は現在使っている経口避妊薬とほぼ同等になると思います。
ちゃんとした避妊をしたいのだけど静脈血栓症のことが心配だと悩んでいる方は、ぜひご相談ください。
2025年6月9日
半年前から、熱帯魚のベタを飼っています。
青と黒のコントラストの美しい、かわいい子です。
昨年暮れにヒーターの調子が悪く水温が低下したため、数日間グッタリと動かない時がありました。
塩浴したりヒーターを変えたりと心配しましたがが、元気に回復してくれました。
優雅に泳ぐ姿に心を癒やされます。
診察室モニタの横にいますので、受診された時には見てください。

2025年5月28日
新しい経口避妊薬(スリンダ錠28)が近日中に発売されます。
現在日本で使用されている経口避妊薬は、エストロゲンとプロゲスチンの配合剤(混合型経口避妊薬、Combined Oral Contraceptives:COC)です。
このたびプロゲスチン単剤の経口避妊薬(Progestin Only Pill:POP)が発売されることとなりました。
世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、POPは静脈血栓塞栓症のリスクがCOCより少なく、喫煙者や肥満、高血圧もしくは弁膜症の女性または深部静脈血栓症もしくは肺塞栓症の既往を有する患者等にはCOCよりも推奨度が高い避妊薬とされています。
製品情報(ドラッグインフォメーション)を見ても、
禁忌(次の患者には投与しないこと)として
1.本剤の成分に対し過敏性素因のある女性
2.乳癌又は生殖器癌及びその疑いのある患者
3.診断の確定していない異常性器出血のある患者
4.重篤な腎障害又は急性腎障害のある患者
5.重篤な肝障害のある患者
6.妊婦又は妊娠している可能性のある女性
となっています。
COCの製品情報では禁忌として20〜21項目が記載されており、血栓症に関連するものが多く含まれています。
今まで危険性(リスク)として血栓症が問題となっていましたが、POPの出現によりこのリスクが減少するようになります。
また、経口避妊薬として発売されるため保険診療にはなりません。
薬価が気になるところですが、経口避妊薬として自費扱いのため各医療機関で自由に設定となります。
発売日等、詳しいことが分かればまたお知らせします。
2025年5月20日
2024年5月31日に妊婦へのRSウイルスワクチン接種が可能となりましたので、あと1ヶ月で1年となります。
1年前のブログや産科Q&Aのページで情報を届けましたが、日本産科婦人科学会から母子免疫についての啓発動画が出されました。
当院で妊婦健診を受けておられる方でも、RSワクチン接種を受ける方もいますし受けない方もいらっしゃいます。
HPVワクチンやその他のワクチンも一緒ですが、利益と不利益を天秤にかけて自分の判断でしっかりと考えてください。
SNSで様々な情報が氾濫していますが、デマ情報や科学的に誤った情報もたくさんあります。
信頼のおける情報を取り入れてください。
また、ネット検索でも検索画面の上位にあるものが優れているとは限りません。
広告費や料金を支払って上位に掲載しているものも多数ありますので、しっかりと自分で判断してください。
2025年4月28日
知ってる!?母子免疫ワクチン(日本産科婦人科学会)
RSウイルスに対する予防法と母子免疫ワクチン(日本産科婦人科学会)
3月21日は世界ダウン症の日です。
毎年、この日に併せて当ブログでも情報を発信しています。
今年も3月21日に記載する予定でしたが、10日遅れての記載となりました。
今年の啓発ポスターのテーマは、「ここにいるよ」です。
2014年に子供だったポスターに掲載された方の12年後の再登場です。
皆さん、素敵な笑顔で純粋なキラキラ輝く瞳です。
ダウン症のある人々も、他の人々と同じように地域社会で生活し受け入れられるサポートを必要としています。
たくさんのサポートを受けながら、それぞれの個性を活かしながら過ごしています。
全ての人々が純粋なキラキラした瞳で楽しく過ごせる社会でありますように。
2025年3月31日
世界ダウン症の日2025特設サイト
世界ダウン症の日のために作られた動画
オランダへようこそ
公益財団法人 日本ダウン症協会
ラミレス美保さんのブログ
当院では今までは産婦人科受付のみ電子処方箋対応可能でしたが、本日より内科受付でも電子処方箋対応が可能となりました。
患者さんからみたメリットとしては、電子処方箋は直近に処方・調剤された情報を含む医療情報が全国の保険医療機関・薬局で共有されるため、より質の高い医療提供が受けられることです。
医療機関や薬局を変更した場合でも継続性が確保され、事故や災害などの緊急時にも常用薬が把握できる等のメリットもあります。
来院の患者さまは、ぜひ電子処方箋をご検討ください。
詳しいことは、下の厚生労働省のページをご参考ください。
2025年1月17日
電子処方せん(国民向け)(厚生労働省)
電子処方せんQ&A(国民の皆さま向け)(厚生労働省)
電子処方箋に関する周知素材(厚生労働省)
HPVワクチンの積極的な勧奨の差し控えにより接種機会を逃した女性に対して、公平な接種機会を確保する目的でキャッチアップ接種が実施されています。
対象者は1997年度生まれ〜2007年度生まれの女性で、実施期間は2025年3月31日までとなっています。
このため2024年夏以降に需要が大幅に増えたためワクチンの限定出荷という状況になりました。
限定出荷のためにワクチン接種が実施できなかった方への救済処置として、国の基本方針部会でHPVワクチンキャッチアップ接種の経過措置が検討され了承されました。
キャッチアップ接種期間中(2022年4月1日〜2025年3月31日まで)に1回以上接種している方については、期間終了後も1年間は公費で3回の接種が実施できることとなります。
誕生日が1997年4月2日〜2008年4月1日まで、2008年4月2日〜2009年4月1日までの方で未接種の方は、2025年3月31日までに1回目の接種をしていれば2026年3月31日まで公費を使って無料で接種することができます。
今回の経過措置が、まさにラストチャンス!!!です。
2025年1月17日
【キャッチアップ接種に関する最新の検討状況】(2025年1月8日更新)(厚生労働所)
本日の広島湾の朝は綺麗でした。
アメリカではトランプ大統領の選出が決まりました。
ウクライナ・イスラエルへの対応、地球温暖化への対応など注視が必要です。
全世界の人々が平和な気持ちで綺麗な地球の朝を迎える日が来ますように。
民主主義国家のリーダーとして、American First ではなく Earth First での対応を望みます。
2024年11月8日
本日より10月となりました。
今まで、HPVワクチンのキャッチアップ接種を9月中に接種しないと3回目を来年3月に接種できないため、9月中の初回接種をお勧めしていました。
もちろん、2回目接種は初回接種から2ヶ月後、3回目接種は2回目接種から4ヶ月後が原則ですので、9月中の初回接種のスタンスに間違いはありません。
この原則の接種法ができない場合は、2回目接種は初回接種から少なくとも1ヶ月以上、3回目接種は2回目接種から少なくとも3ヶ月以上間隔を置いて実施することとなっています。
最短4ヶ月で3回の接種が可能ですので、11月中に初回接種を行えば来年3月までに何とか3回接種か可能です。
1997年4月2日から2008年4月1日生まれの方で、キャッチアップ接種の機会を逃した方はあと2ヶ月がラストチャンスです。
11月終わりの接種だと2回目が年末の休みに入るため2回目接種ができません。
11月中旬までが無料で接種できるラストチャンスです。
キャッチアップ接種の機会を逃した方は、本当に最後のチャンスです!
2024年10月1日
HPVワクチンに関するQ&A(厚生労働省)
HPVワクチンのキャッチアップ接種は2025年3月31日までです。
6ヶ月で3回の接種が必要なため、今年の9月までに接種を開始しないと無料で接種できなくなります。
あと2ヶ月しか猶予がありません。
1997年4月2日〜2008年4月1日生まれの方で未接種の方は真剣に考えてください。
20〜30歳代女性で、子宮頸がんは罹患率は第1位です。
ネットやSNS等で様々な情報が氾濫していますが、科学的根拠に基づいた正確な情報で判断してください。
当院での接種希望の方は、電話(082-276-3977)で予約をお願いいたします。
2024年7月22日
年齢階級別がん罹患数と順位(2019年)
部位
(罹患数) |
1位 |
2位 |
3位 |
4位 |
5位 |
20歳代 |
子宮頸部
(2,843) |
甲状腺
(639) |
卵巣
(414) |
乳房
(332) |
悪性リンパ腫
(175) |
30歳代 |
子宮頸部
(10,406) |
乳房
(4,020) |
甲状腺
(1,366) |
卵巣
(823) |
子宮体部
(648) |
子宮頸がん予防に関する日本産科婦人科学会の考え方について
HPV Vaccination and the Risk of Invasive Cervical Cancer(The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE)
子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために(日本産科婦人科学会)
9価HPVワクチン接種のお知らせリーフレット(定期接種版)(厚生労働省)
9価HPVワクチン接種のお知らせリーフレット(キャッチアップ接種版)(厚生労働省)
HPVワクチン接種の対象年齢のお子様及びその保護者向けリーフレット(概要版)(厚生労働省)
HPVワクチン接種の対象年齢のお子様及びその保護者向けリーフレット(詳細版)(厚生労働省)
HPVワクチンのキャッチアップ接種リーフレット(厚生労働省)
2024年5月31日にRSウイルスワクチンが発売となりました。
RSウイルスワクチンについては、質問のページ産科Q&AのQ35.で詳しく説明しています。
厚生労働省のRSウイルス感染症Q&Aにおいては、生後6ヶ月以内の乳児への感染は特に注意が必要と記載されています。また生後1ヶ月未満の児がRSウイルスに感染した場合は、非定型的な症状を呈するために診断が困難な場合があり、突然死に繋がる無呼吸発作を起こすことがあると記載されています。
産まれてくる赤ちゃんへのRSウイルス感染予防には、妊娠28週〜36週での母体へのRSウイルスワクチン接接種が有効です。
お母さんからお腹の中の赤ちゃんへの贈り物として、妊娠中のRSワクチン接種を考えてみてください。
2024年5月31日
RSウイルス感染症Q&A(厚生労働省)
RSウイルス母子免疫ワクチンに関する考え方(日本小児科学会)
妊婦に接種するRSウイルスワクチンについて(日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会)
妊娠中のワクチン接種を推奨するために(KNOW-VPD!)
日本産科婦人科学会より、2024年2月9日開催されたメディアセミナー「日本の子宮頸がん予防を変えるー検診とワクチンの変革期に何をすべきかー」の動画配信が一般公開されました。
2025年3月末で、キャッチアップ接種は終了となります。
1997年4月2日から2008年4月1日生まれの女性は、今年の9月までに接種しなければ6ヶ月間で3回の接種が無料で終了しません。接種をされていない方は、早めの接種をお勧めします。
また、2023年12月23日のブログで述べましたが、子宮がん検診でのHPV検査が早く導入されることを望みます。
2024年4月3日
日本の子宮頸がん予防を変えるー検診とワクチンの変革期に何をすべきかー(日本産科婦人科学会)
毎年紹介していますが、3月21日は世界ダウン症の日です。
世界ダウン症の日2024のテーマは、「End The Stereotypes」です。
ステレオタイプとは、人が他人や物事に対して抱く固定概念や先入観(思い込み)のことです。
決めつけて判断することで、誤った認識や誤解を生む可能性があります。
思い込みや決めつけにとらわれない、それぞれの個性を尊重する社会でありますように!
2024年3月21日
世界ダウン症の日2024 啓発ポスター
世界ダウン症の日2024 JDSポスター撮影メイキング映像
世界ダウン症の日のために作られた動画
オランダへようこそ
公益財団法人 日本ダウン症協会
ラミレス美保さんのブログ
2024年の広島湾の初日の出も綺麗でした。
毎年、正月に初日の出の写真をを載せていました。
今年は元日早々に能登半島地震が発生し、ウクライナ戦争も終わる気配はなく、イスラエルのガザ侵攻による子どもを含めた多数の死者が出るなどで、おめでたい初日の出の写真を載せる気になれませんでした。
本日から3月になります。
地震からちょうど2ヶ月経過しましたが、能登半島の人々は懸命に復興への歩み出しをされています。
私も少しずつ情報発信をしていこうと思います。
2024年3月1日
市区町村が実施する子宮頸がん検診について、2024年4月からHPV検査を導入することが12月18日の厚生労働省有識者会議で了承されました。
対象は30歳以上の方で、HPV検査の結果が陰性の場合は5年後の検査でよいこととなります。
HPV検査陰性の方は5年毎の検診受診でよいこととなり、ずいぶん負担が減ります。
HPV検査を導入するかは自治体の判断次第で、準備が整った自治体から順次始める予定です。
なお、20歳代の方は従来通りの2年に1回の細胞診検査となります。
広島市における対応が決まり次第お伝えしますが、5年に1回の検診で済みますので早くの導入を期待しています。
2023年12月23日
子宮頸がん検診へのHPV検査単独法導入について(厚生労働省 健康・生活衛生局がん・疾病対策課)
後期流産とは、妊娠12週から妊娠22週未満の流産のことです。
妊娠12週未満の早期流産は全妊娠の約15%の頻度ですが、後期流産は1〜2%と頻度は低いです。
後期流産は妊娠7週〜8週あたりで胎児心拍を確認し流産の可能性が低いことを確認して母子手帳の交付を受けてからの流産で、新しい命の誕生を楽しみに希望を抱いた直後の流産ですので、その悲しみは計り知れないものです。
後期流産の原因として染色体異常・子宮の異常・内分泌代謝異常・感染症等が挙がりますが、原因不明のことも多いです。
2021年7月5日のブログでも、流産について触れています。
新しい命の誕生を楽しみにしていたご両親の気持ちを考えると、悲しみに心を寄せるしかないのですが、診療にうえで傷つく言葉を発していたのではないかと反省することもあります。
医学的には妊娠22週以降を死産と定義しますが、法的には後期流産は死産扱いとなります。
従って、死産届を行政に提出し火葬する必要があります。
また、死産扱いとなりますので出産育児一時金の支給を受けられますし、働く女性に対しては産後休業の対象者となります。
2023年12月20日
流産・死産等を経験された方へ(こども家庭庁)
広島県不妊専門相談センター(広島県)
お空の天使パパ&ママの会(WAIS)(流産・死産・新生児死亡などでお子さんを亡くされた方をサポートするセルフヘルプグループ)
アリスの谷村新司さんが、10月8日に死去されたとの報が入りました。
私のこのブログの最初の記事に、2013年9月20日に開催されたアリスの広島公演のチケットを載せています。
ちょうど10年前です。
アリスは私の青春そのものであり、50年間ずっとアリスのファンです。
今朝も谷村新司さんのアルバム「STANDAED〜呼吸〜」を聴いていたところです。
今年の3月に腸炎で手術を受け、来年のコンサートに向けて療養中と伺っていましたので、来年のコンサートを楽しみにしていました。
チンペイさん、べーやん、キンちゃんの円熟した3人の揃った姿が見られないのが寂しいです。
戒名は、「天昴院音薫法楽日新居士(てんぽういんおんくんほうらくにっしんこじ)」だそうです。
天にある昴(輝く星)となって、いつまでも空から音楽を届けてくれると思います。
ご冥福を心からお祈りいたします。
私の青春と共に過ごしたアーティスト、アスリートの方々が死去されるのは本当にさびしいです、、、。
2023年10月16日
昨日のカープは、延長10回2死1,2塁から堂林のサヨナラ打で勝利しました。
試合後の新井監督のコメントは、いつも選手に対する愛情や信頼に溢れています。
昨夜は9回にマクブルームの失策から勝ち越しを許しましたが、
「信じられないことが起こるのが野球。彼自身が一番分かっていると思うし、私自身も信じられないようなミスをしてきました。それが野球です。また明日に期待したいと思います。」
とマクブルームに対してコメントしています。
このような上司(監督)の元で働く選手達は幸せですね。
人間はミスを起こすものです。
野球に限らず、あらゆる面で人間はミスは起こし得ます。
ミスを反省して、次の成長に繋げます。
2023年4月21日のブログに記載しているように、新井監督は自身の経験から「信頼」が選手を奮い立たせることをよく知っています。
ヒーローインタビューもですが、私は試合終了後の新井監督のインタビューが楽しみです。
2023年9月6日
2023年9月2日に「子宮頸がん予防に関する日本産科婦人科学会の考え方について」の知らせが出ました。
世界保健機関(WHO)は、世界中で@15歳までに90%の女性がHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンを接種しA70%の女性が35歳と45歳で確実性の高い子宮頸がん検診を受けB90%の子宮頚部病変を有する女性が適切にケアされるという3つの目標を掲げています。この目標を2030年までに達成できれば、将来的に子宮頸がんはがんの排除の基準とされる女性人口10万人あたり4人以下の罹患率に達するとしています。
日本では、HPVワクチン接種も子宮頸がん検診受診も目標にはまだまだの状況です。
HPVワクチンは半年間で合計3回の接種が必要ですが、9価ワクチンについては1回目の接種が15歳未満であれば合計2回の接種で済みます。
また、スウェーデンのデータでは17歳になる前に4価ワクチンを接種した女性では浸潤性子宮頸がんの発生が88%減少した報告も出ています。
当院では、15歳になる前に1回目の接種を行い合計2回の接種をお勧めします。
もちろん、20歳過ぎても、性経験を持ってからでも遅くはありませんので、キャッチアップ接種対象(誕生日が1997年4月2日〜2007年4月1日)の方は無料で接種できる今のうちに早めの接種をお勧めします。2025年3月末までに3回の接種を完了しないと公費で接種できません。2024年9月までに第1回目の接種が必要です。
2023年9月5日
子宮頸がん予防に関する日本産科婦人科学会の考え方について
HPV Vaccination and the Risk of Invasive Cervical Cancer(The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE)
子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために(日本産科婦人科学会)
9価HPVワクチン接種のお知らせリーフレット(定期接種版)(厚生労働省)
9価HPVワクチン接種のお知らせリーフレット(キャッチアップ接種版)(厚生労働省)
HPVワクチン接種の対象年齢のお子様及びその保護者向けリーフレット(概要版)(厚生労働省)
HPVワクチン接種の対象年齢のお子様及びその保護者向けリーフレット(詳細版)(厚生労働省)
HPVワクチンのキャッチアップ接種リーフレット(厚生労働省)
広島に原爆が投下されてから78年となりました。
私の父も広島駅で被爆しています。
私が小学校低学年の時に、被爆時に父が着ていた爆風と高熱でボロボロになった衣服を見せてもらったことを今でも鮮明に覚えています。
父は晩年は気管支喘息による呼吸障害で苦しい思いをしていました。
父が生き延びてくれたお陰で今の私があるわけですが、被爆していなければ晩年を呼吸障害で苦しく過ごすことなく穏やかな人生を送れたのではないかと思っています。
核抑止論からの脱却を訴えた松井広島市長や湯崎広島県知事の訴えも心に残りましたが、子ども代表の平和宣言が毎年心に響きます。
全世界の為政者が、政治色に染まらない子ども代表の気持ちのままでいてくれたらと願います。
岸田首相には、広島出身の首相らしく核兵器禁止条約への積極的な姿勢を示して欲しかったです。
2023年8月6日
こども代表 平和への誓い(2020年)
こども代表 平和への誓い(2021年)
こども代表 平和への誓い(2022年)
こども代表 平和への誓い(2023年)
スポーツ報知に、
【広島】栗林良吏4安打2失点また背信投球...今季5度目の3連敗
と出ていました。
私は、決して背信投球などと思っていません。
いちばん辛いのは、栗林投手です。
昨日は結果が悪かったですが、ここ最近は良い投球を続けていました。
栗林投手もカープも頑張れ!!!
応援しています。
2023年8月2日
グテーレス国連事務総長は講演で「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した(the era of global warning has
ended"and"the era of global boiling has arrived.)」と警告を発しています。
ただちに世界各国が気候変動対策のための行動を起こさなくてはならない状況です。
地球が発熱しています。
地球が危険信号を出しています。
人間も発熱を起こすときは、各種感染症や癌、広範囲の外傷や熱傷、自己免疫疾患等で個体が危険な時です。
発熱により感染に抵抗する力(免疫力)を高め、病原体の力を弱めます。
地球沸騰化の原因は、温室効果ガスを排出している人間です。
人間をを病原体とみなして、地球が発熱を起こし病原体である人間と闘っているように思います。
地球を個体としてみると、人間は細胞であり各国は臓器です。
臓器にはそれぞれに大事な役割があり、臓器が欠けると個体は変調を起こします。
個体(地球)が死滅すると、細胞(人間)も死滅します。
戦争は癌です。癌細胞が臓器に浸潤し臓器を壊すと個体は最悪の場合は死滅します。
戦争なんかしている場合ではありません。
各臓器(各国)が協力して大切な個体(地球)を守るときです。
2023年7月31日
妊婦健診をしていると、出生前診断についての相談を受ける事があります。
出生前診断については、検査だけを行って結果のみを伝えて十分な説明もしない施設もあるようです。
当院では、広島赤十字原爆病院の
遺伝カウンセリング外来へ紹介しています。
ネットでも色々な情報が氾濫していますが、出生前診断についても科学的根拠のある情報をもとに判断する必要があります。
下記のサイトが参考になると思います。
2023年6月14日
一緒に考えよう、お腹の赤ちゃんの検査(日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会)
妊娠中の検査に関する情報サイト(厚生労働省 令和4年度出生前検査認証制度等広報啓発事業)
2023年6月2日、国立がん研究センターから「子宮頸がんとその他のヒトパピローマウイルス(HPV)関連がんの予防ファクトシート2023」が公開されました。
ファクトシートは科学的知見に基づく概要書であり、信頼のおける重宝な情報源です。
子宮頸がんは、HPVワクチンと検診により予防できるがんです。
このブログでも今までたびたび情報を発出しています。
当院でもHPVワクチン接種を受ける方が増えていますが、まだまだ接種対象者の一部しが受けていません。
日本の子宮頸がん罹患率・死亡率は1990年代には諸外国より低いレベルでしたが、HPVワクチン接種率が極端に低い現在では米国・西欧・オーストラリア・韓国より高いレベルになっています。
HPVワクチンの予防効果は接種時の年齢が上がるほど弱くなりますので、接種対象年齢の方は早めの接種を検討してください。特に、性交渉開始前に接種する事が重要です。
接種の機会を逃した誕生日が1997年4月2日から2007年4月1日までの女性は、2025年3月まではキャッチアップ接種で無料で接種できます。20歳を過ぎても、性経験を持ってからでも遅くはありませんので、早めの接種を受けて下さい。
2023年6月5日
子宮頸がんとその他のヒトパピローマウイルス(HPV)関連がんの予防ファクトシート2023公開(国立がん研究センター)
5類に移行された後の新型コロナウイルスワクチンの妊婦への接種について、5月8日付けで日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会・日本産婦人科感染症学会から会員に向けて情報が発出されました。
Lancent誌に、2021年末から流行している新型コロナウイルスオミクロン株に対する妊婦へのワクチン接種で重症化予防の有効性が証明されたとの掲載がありました。
ICU入院や死亡のような重篤な合併症リスクが、複数回ワクチン接種の場合74%減少、さらに追加接種した場合は91%減少した。mRNAワクチンの場合は、複数回接種で79%減少、追加接種で94%減少した。最終接種からの時間が短いほど重症化しにくいとの結果です。
以上のことから、この研究では妊婦のコロナワクチン接種は依然として優先事項であると結論づけています。
この研究を含め妊婦の重症化予防や、母胎からの受動免疫による新生児のの重症化予防の有効性が引き続き示されています。
世界保健機関(WHO)は、オミクロン株の感染状況下では、最終ワクチン接種が6ヶ月以上前の妊婦に対するコロナワクチンの追加接種が推奨しています。
5類に移行されても、新型コロナウイルス感染症の治療法が確立された訳ではありません。
特に妊婦をはじめ高齢者や基礎疾患のある方は、重症化することがあることも変わっていません。
私も高齢者ですので、本日6回目のワクチンを接種する予定です。
妊婦の皆様には、ワクチン接種を受ける事をお勧めします。
2023年5月12日
芸能事務所「Andmo」の代表取締役・井手智さんが、子宮頸がんと闘い4月19日に死去されました。
井手さんは、子宮頸がんについて、HPVについて多くの人に知ってほしいとの思いから、さまざまなメディアで発信されています。
亡くなる数時間前に最後のメッセージ「みんな大好き、ありがとー!」を送られ、最後まで前向きに生きられました。
このブログでも今まで他の子宮頸がんと闘った方の紹介や、HPVワクチンの重要性、副反応についても記載してきました。
井手さんも、ワクチンで予防できるガンにかかってしまった事に無念だったと思います。
自分のような気持ちになる女性を一人でも減らしたい思いから、最後までHPVや子宮頸がんについて知ってほしい事を発信し続けたのだと思います。
2023年4月からより効果の高い9価ワクチンが定期接種で無料で接種できるようになりました。
接種対象年齢の小学校6年〜高校1年相当の女性とその保護者の方は、真剣に考えてください。
接種の機会を逃した平成9年度生まれ〜平成18年度生まれの女性は、令和7(2025)年3月末までは公費で無料で接種できます。
9価ワクチンでは第1回目を15歳未満で接種すれば、合計2回の接種でも可能となりました。
さらには、男性へのHPVワクチン接種の定期接種化も望まれます。
2023年5月8日
子宮頸がんで治療中の女性がみなさんに伝えたいこと
【子宮頸がん】再発・転移で”余命3ヶ月”年間3000人死亡「ワクチン打って」
【子宮頸がん】会社設立3日後に...闘病続ける芸能事務所の社長 共に歩んだ女優・宮地真緒の思い|アベヒル
昨日のカープの試合は最後までドキドキでした。
阪神戦での3連敗を免れ、勝利しました。
新井監督は、3点リードの9回裏、今季の阪神戦で2戦2敗の栗林投手を迷うことなく投入しました。
3連打で2点差と迫られ、無死1、2塁とホームランが出ると逆転サヨナラという危機的状況となりました。
その場面で新井監督自らが就任以来初めてマウンドに向かいました。
「お前で打たれたら本望だから。思い切って投げろ!」と監督自身の口から栗林投手に伝えたそうです。
栗林投手は立ち直り、後続を見事に断ち切り勝利しました。
監督の選手に対する全面的な信頼が、選手を奮い立たせています。
それぞれが信頼し合いチーム一丸で闘っているカープ球団。
まさしく、「カープは家族」です。
新井監督には現役時代の忘れられないエピソードがあるそうです。
プロ1年目でのゲームで1塁フライを落球した直後のベンチで、当時の達川監督が「あんなやつ、代えろ。もう2軍に落とせ!」と激怒していたそうです。その中を西田打撃コーチが「あと1打席だけお願いします。僕が責任を取ります。」と頭を下げました。その言葉が聞こえた新井選手は崖っぷちの打席でホームランを打ち、涙を流しながらダイヤモンドを回ったそうです。
「信頼」が選手を奮い立たせることをよく知っている新井監督の采配が楽しみです。
野球だけではありません。
仕事においてもスタッフ間の信頼感、患者さんとの信頼感が必要です。
私自身も信頼が得られるように努力していますが、期待に添えないことがよくあります。
信頼される人間になるよう、信頼される仕事ができるよう精進しなければと思いました。
2023年4月21日
厚生労働省において9価HPVワクチン定期接種化に関するリーフレットが作成されました。
9価ワクチンについては、15歳になるまでに1回目の接種を受ければ、合計2回の接種で済みます。
それ以外は、合計3回の接種となります。
いよいよ4月から9価HPVワクチン接種の定期接種が開始されます。
2023年3月27日
9価HPVワクチン接種のお知らせリーフレット(定期接種版)(厚生労働省)
9価HPVワクチン接種のお知らせリーフレット(キャッチアップ接種版)(厚生労働省)
HPVワクチン接種の対象年齢のお子様及びその保護者向けリーフレット(概要版)(厚生労働省)
HPVワクチン接種の対象年齢のお子様及びその保護者向けリーフレット(詳細版)(厚生労働省)
HPVワクチンのキャッチアップ接種リーフレット(厚生労働省)
WBC侍ジャパン優勝、おめでとう!
私は仕事のため、決勝戦は残念ながら観戦できませんでした。
優勝を知ったのは仕事が終わり昼休憩に入ってからで、既に試合は終わっていました。
最後の大谷投手とトラウト打者の対決は、手に汗を握る名場面だったですね。
後から観ても、その時の緊張感が伝わってきます。
準決勝戦は、祝日だったため観戦できました。
メキシコ戦も感動的な勝利でした。
メキシコ戦でも色々と印象に残る場面がありました。
吉田正尚選手が同点スリーランを打ったときには、飛び上がって喜びました。
私の一番印象に残った場面は、吉田正尚選手の写真のポーズです。
逆転サヨナラのきっかけとなった四球を選んだ時に、ネクストバッターズサークルに居た村上宗隆選手に対してとったポーズです。
「お前に任せたぞ!」、「お前打てよ!」と、この日に安打の無かった村上宗隆選手を鼓舞する無言のエールを送って1塁ベースに向かいました。
仲間に対する信頼感、共に闘う意識があったからこそのポーズだったと思います。
それに応えた村上選手のバッティングも見事でした。
もちろん、サヨナラゲームのきっかけを作った先頭打者の大谷翔平選手の2塁打も気迫あるれるプレーで感動しました。
ひたむきなプレーとスポーツツマンシップ溢れる行動のチェコスロバキアの選手達、死球を与えた選手に自腹で買ったお菓子を持ってお見舞いに行った佐々木朗希選手、試合後にお互いの健闘をたたえてハグする日本とメキシコの観客、、、世界は一つだと実感しました。
野球では世界が一つになれるのに、未だに大義も正義も無い侵略に苦しんでいるウクライナの人たちを思うと心が痛みます。
侵略する人たちに「リスペクト」の心があれば、、、。
2023年3月22日
3月21日は「世界ダウン症の日」です。
2021年3月24日のブログでも紹介しました。
その時に紹介した
ラミレス美保さんのブログ、その後もフォローしています。
ダウン症である長男のケンジ君を愛情いっぱいで育てているとっても素敵なファミリーです。
産まれて初めてダウン症と知った奥様に言ったラミレス氏の言葉が心に残っています。
「wowこれって誇らしいことだね。すごく嬉しい。神様から僕たちのところに選ばれてダウン症という宝物が届いたんだよ。大切に育てようね。」
2018年10月22日のブログで紹介した、
ダウン症である周(しゅう)くんという息子さんを育てている服部剛さんの詩にも心を打たれました。
With Us Not For Us(私たちのために、ではなく、私たちとともに)
2023年日本ダウン症協会のアピール文です。
私たちは
誰かにたすけてもらってばかりではありません。
みんなと同じように、
一緒に、遊び、学び、働き、くらしたいです。
誰もが安心して自分らしく暮らせる社会にするために、
私たちはみんなと一緒に考え、行動します。
それぞれの個性を何の偏見もなく受け入れる社会になったらいいですね。
2023年3月20日
世界ダウン症の日のために作られた動画
オランダへようこそ
公益財団法人 日本ダウン症協会
昨日の厚生労働省の専門分科会において、HPV9価ワクチンの2回接種が可能となりました。
対象は9歳以上15歳未満の女性です。
接種間隔は初回接種から6〜12ヶ月の間隔を置いた合計2回の接種となります。
2回目接種が初回接種から6ヶ月以上間隔を置いて実施できない場合は、2回目の接種は初回接種から少なくとも5ヶ月以上の間隔を置いて実施することとなっています。
2回目の接種が初回接種から5ヶ月未満であった場合は、3回接種が必要です。
15歳以上の方は、今まで通り3回接種です。
2価・4価ワクチンは、今まで通り3回接種です。
具体的には、15歳の誕生日よりも前に1回目の接種を行えば、5ヶ月以上あけて2回目接種で終了となります。
2023年3月8日
2023年2月8日、がんに関する国際的な学術誌「Cancer Science」にHPVワクチンの安全性を正しく示す論文がオンライン掲載されました。
近畿大学医学部産科婦人科学教室と微生物学教室を中心とする研究チームが、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)に含まれる免疫を活性化させる成分のアジュバントが、重篤な神経系の症状(副反応)を生じると主張する論文の根拠を詳細に検証し、それらのデータに欠陥があることを明らかにしたものです。
HPVワクチン接種を受けた方が、慢性疼痛、運動障害、認知障害などの神経学的症状を発症した事例があり、現在薬害訴訟が進行中であり、国民の懸念が強まっています。
薬害訴訟の原告弁護団は、HPVワクチンの成分が神経系の障害を引き起こすと主張しています。
本研究チームは、その根拠となる基礎医学研究論文を一つ一つを詳細に検討し、2022年8月に「ヒト生体分子とHPVの間に分子相同性があるために、HPVワクチン接種後に自己抗体が生じて臓器障害が生じる」と主張する論文、およびその考えに基づく動物実験の論文に大きな欠陥があることを明らかにし、
Cancer Science誌に報告しました。
この先行研究と今回の研究の2本の論文により、HPVワクチン薬害訴訟原告弁護団がリストアップした基礎医学研究論文に重大な欠陥があり、その証拠能力が欠如していることが明らかにされました。
世界保健機関(WHO)は、「アルミニウム含有ワクチンの投与による健康リスクが存在すると結論づける理由はなく、現行のワクチン接種方法を変更する正当な理由も無い」と述べています。
日本では、毎年3000人が子宮頸がんで命を落としています。
20歳〜30歳代の若い年齢での罹患率・死亡率が増えています。
2023年4月からは、より効果の高い9価ワクチンが定期接種化されます。
世界では当たり前に接種されているHPVワクチンが、日本では極端に接種率が低いのが現状です。
HPVワクチン接種と子宮がん検診の併用で、子宮頸がんは予防できます。
色々な情報が氾濫していますが、科学的根拠のある情報を元に考えてください。
2023年2月17日
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)接種後の症状に関連する実験データを科学的に評価 ワクチンに対する正しい理解を啓発(近畿大学)
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)接種後の副反応に関する基礎医学論文の科学的欠陥を明らかに ワクチンの正しい理解啓発へ(NEWSCAST)
HPVワクチン接種後の副反応に関するデータの「科学的欠陥」を明らかにー近大(医療NEWS QLifePro)
もうじき2月4日の風しんの日を迎えます。
毎年2月4日を「風疹の日」として、風疹ゼロを目指す活動をしています。
風疹(ふうしん)の「ふ」を「ふたつ」の2、「し」を4として、2月4日を風疹の日としています。
成人が風疹にかかると、まれに脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症を起こすこともあり、子供と比べて発熱や発疹の期間が長く、関節痛がひどいとされていますが、致死的疾患とはならないため軽視しがちです。
特に、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性は、子供の時に風しんワクチンの定期接種の機会がありませんでした。そのため免疫を持っていない可能性が高く、風疹に罹りやすく感染をひろめてしまう可能性が高い状態です。
妊娠初期の妊婦が風疹に罹ると、胎児への大きな影響があります。
先天性風しん症候群といって、風しんウイルスの胎内感染によって起こす感染症です。
白内障、先天性心疾患、難聴が三徴となりますが、その他に先天性緑内障、色素性網膜症、紫斑、脾腫、小頭症、精神発育遅延、髄膜脳炎、骨のX腺透過性所見、生後24時間以内の黄疸などを起こします。
妊婦の風しん感染の殆どは、家庭内での父親や夫からの感染、職場内での感染です。
そのため、2022年の日本産婦人科医会での風しんゼロプロジェクト宣言では、40〜50歳代の男性ならびにその職場に、風疹抗体検査やワクチン接種を行うよう強く訴えられました。
厚生労働省では風しんの追加対策として、昭和37年度〜昭和53年度生まれの男性に原則無料で風しん抗体検査と予防接種が受けられるクーポン券を送っています。
ところがクーポン券使用風疹抗体検査実施者割合は、全国平均で23.5%と非常に低いのが現状です。
家庭内や職場内での妊婦の赤ちゃんを守るために、真剣に考えて下さい。
2023年1月24日
風しんの追加的対策について(厚生労働省)
成人男性も風しんの予防接種を受けましょう(NIID 国立感染症研究所)
2022年”風疹ゼロ”プロジェクト宣言!!ー毎年2月4日は風疹の日ー(日本産婦人科医会)
風しんの抗体検査受検・ワクチン接種 勧奨PJT(ウェディング篇2022年度版)
風しんの抗体検査受検・ワクチン接種 勧奨PJT(オフィス篇2022年度版)
2023年の広島湾の初日の出も綺麗でした。
太陽は世界中に分け隔てなく1日の活力となる日の出の光を与えてくれます。
大義も正義もない侵略により、氷点下の厳寒の中を電気も水もない生活を強いられているウクライナの人たちのことを思うと心が痛みます。
世界中の全てが平和で心穏やかな日の出を迎える日が来ますように。
2023年1月1日
2022年11月8日に開催された第50回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会において、2023年4月からの9価HPVワクチンの定期接種化の方向性が示されました。
基本的には定期接種(小学校6年生から高校1年相当)対象者の女子のみで、キャッチアップ無料接種にて適応されないようです。
途中から2価・4価HPVワクチンから9価ワクチンへ切り替える「交互接種」も可能となるとのことです。
また、若年者の2回接種については、「できるだけ早く導入することが望ましいが、今後の開発状況を踏まえて、引き続き議論する」とされていますので、もうしばらく3回接種が基本となるようです。
2023年度の無料キャッチアップ接種対象者(2023年度に17歳〜26歳になる女性)における9価HPVワクチンの取り扱いについては、「供給状況を踏まえて引き続き議論する」こととなりましたので、まだ未定のようです。キャッチアップ接種対象者は、9価HPVワクチンの無料化を待って、2価・4価HPVワクチンの接種機会を逃さないように注意が必要です。
既に2価・4価ワクチンを接種されている方は、決してがっかりしないで下さい。
2022年9月27日のブログに記載していますが、スウェーデンのデータでは17歳になる前に4価ワクチンを接種した女性では浸潤性子宮頸癌の発生が88%減少した報告も出ています。
2価・4価ワクチンでも、しっかりとした予防効果が認められています。
17歳になる前に、特に性経験を持つ前に接種を受ける事が一番大事なことですが、これから接種予定の2023年度に小学校6年生から高校1年相当の方は、より効果が高いと思われる9価HPVワクチンの定期接種化を待った方が良いかもしれません。
2023年度の無料キャッチアップ接種対象者(2023年度に17歳〜26歳になる女性)は、9価HPVワクチンの定期接種化を待たずにできるだけ早期に接種を受ける事をお勧めします。
キャッチアップ接種対象者については、「9価ワクチンを使用できる」との報道が多数ありますが、日本産科婦人科学会の資料ではキャッチアップ接種対象者については「供給状況を踏まえて引き続き議論する」こととなっており、9価HPVワクチンの定期接種化を待って、2価・4価HPVワクチンの接種機会を逃さないよう注意が必要とあります。
キャッチアップ接種対象者については情報が錯綜していますので、詳しいことが判明したらまた報告します。
2022年11月25日
第50回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会資料(厚生労働省)
子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために(日本産科婦人科学会)
9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(シルガード9)のについて(厚生労働省)
秋晴れの中、安芸太田町筒賀の大銀杏を見に行きました。
高さ48m、周囲8.2m、推定樹齢1,100年を超す巨大な銀杏は圧巻でした。
青い空と銀杏の黄色のコントラストは、青の空と黄の麦畑を表すウクライナ国旗を連想します。
ウクライナ国民皆様の一刻も早い平和で穏やかな生活が戻りますように、、、。
2022年11月10日
広島湾の朝焼け・夕焼けは、いつ見ても綺麗で心が洗われます。
地球からの贈り物です。
世界のどの場所でも、この綺麗な朝焼け・夕焼けを見ることができます。
ところが人間のエゴで、環境破壊や戦争が起きています。
世界中の全ての人が、平和の中で心穏やかにこの景色を眺める日が来ますように、、、。
2022年10月31日
新型コロナウイルス感染の第7波は、これまでに経験のない規模で拡大しました。
感染者の中心は20-40歳の妊婦の皆様の世代が多く、広島県でも新型コロナウイルス感染妊婦が激増しました。
2022年7月26日に、日本産科婦人科学会から第7波の妊婦世代での感染増加を受けて、妊婦さんへのワクチン接種を勧める文書が出されました。
妊婦ご本人と赤ちゃんの生命を守るため、積極的にワクチン接種を検討してください。
2022年10月13日
新型コロナウイルスワクチンをまだ接種されていない妊婦のみなさまへ(日本産科婦人科学会)
2021年2月から日本でも9価ヒトパピローマウイルスワクチンが接種可能となっていますが、残念ながら定期接種化されていません。
2022年3月4日に開かれた「
第18回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会」において、9価ワクチンの定期接種化の方向性は確認されましたが、定期接種になる時期は未定です。
保護者の方から、9価ワクチンの定期接種化を待った方がよいかとの相談をよく受けます。
9価ワクチンであれば子宮頸癌の原因となるウイルスの約90%の感染予防ができるため、私は9価ワクチンを接種した方がよいと思います。
しかしながら、定期接種になる時期は未定です。
また、スウェーデンのデータでは17歳になる前に4価ワクチンを接種した女性では浸潤性子宮頸癌の発生が88%減少した報告も出ています。
結論から言うと、17歳になる前に接種した方が有効性が高く、性経験をもつ前に、なるだけ早く今使えるワクチンを接種することをお勧めします。
もちろん、17歳以降や性経験をもっていてもワクチンの有効性はありますので、キャッチアップ接種の誕生日が1997年(平成9年)4月2日から2006年(平成17年)4月1日の女性で接種を受けていない方は、早期に接種を受けることをお勧めします。この年代の方は、2025年(令和7年)3月31日までが無料で接種できますが、接種が早ければ早いほどよいと思います。
2022年9月27日
HPVワクチン、9価ワクチンの定期接種化を待たないで「今うてるものを早めにうつのがベスト」(BuzzFeedNews)
HPV Vaccination and the Risk of Invasive Cervical Cancer(The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE)
HPVワクチン接種と浸潤性子宮頸癌のリスク(N Engl J Med 2020:383:1340-8.日本語アブストラクト)
HPVワクチンの個別勧奨が再開され、当院でも接種を受ける方が徐々に増えています。
現在定期接種として無料で接種できるワクチンはHPV16型・18型に有効なワクチンで、子宮頸癌の原因となるウイルスのタイプの約7割が予防できます。
2021年2月より、日本でも9価HPVワクチン(シルガード9)が発売されており、これはHPV6、11,16,18,31,33,45,52及び58型に対する抗体が獲得できるため、9価ワクチンを接種すれば約9割が予防できます。
当院でも多数の方が9価ワクチンを接種されていますが、残念ながら定期接種として認められていないため無料では接種できません。約10万円の接種料金か必要です。
自分の健康や将来授かる子供のことを考えて、有料でも9価ワクチンの接種を受ける方の気持ちを大変嬉しく思っています。
静岡県富士市では、9価ワクチンの一部補助を開始しました。このような取り組みが全国に広がることを願っています。
さらには、9価ワクチンが早く定期接種に組み込まれることを願っています。
2022年8月10日
9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン任意接種費用の一部補助について(富士市)
9価のHPVワクチンの費用を半額補助 静岡県富士市が全国に先駆けて導入(BuzzFeedNews)
9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(シルガード9)について(厚生労働省)
令和4年7月24日に自衛隊第13旅団オープンキャンプが開催されました。
多くの若者が参加したとの記事がありました。
平和と独立、国民の生命と財産を守る自衛隊。
日本国のために役立ちたいと願う若者の姿を頼もしく思いました。
ウクライナでは、現実として多くの若者が祖国を守るために懸命に闘い命を落としています。
何の罪もない一般市民の住居が破壊され、命を奪われています。
戦争のない平和な世界が一刻も早く訪れますように、、、。
2022年7月28日
陸上自衛隊 第13旅団オープンキャンプ
本日、月経困難症治療剤のジェネリック製剤が発売となりました。
ヤーズ配合錠(バイエル薬品株式会社)のジェネリックとして、ドロエチ配合錠「あすか」(あすか製薬株式会社)が発売となりました。
1シート(28錠)6,325.50円が、2,882.30円(薬価差3,446.20円)と約45%の薬価となります。
ディナゲスト錠0.5mg(持田製薬株式会社)のジェネリックとして、ジエノゲスト錠0.5mg「モチダ」(持田製薬株式会社)が発売となりました。
1錠144.90円が、57.50円(薬価差87.40円)と約40%の薬価となります。
いずれも月経困難症に対して非常に有効な薬剤です。
保険診療ですので薬価の3割が自己負担分ですが、薬代が半額以下となるのは朗報ですね。
2022年6月17日
HPVワクチンの有効性と安全性については、世界中からエビデンスが蓄積されています。
日本では厚生労働省の積極的勧奨を控えるという中途半端な政策から、接種が中止されたとの誤解をされている方が多数います。
2022年4月から、ようやく積極的勧奨が再開されましたが、まだまだ接種者が少ないのが現状です。
また、接種の機会を逃した誕生日が1997年(平成9年)4月2日から2006年(平成17年)4月1日までの女性に対しては、2022年(令和4年)4月1日から2025年(令和7年)の3年間は無料で接種できます(キャッチアップ接種)。
キャッチアップ接種の制度を知らない方も多数いらっしゃいます。
このたび、日本における長期有効性の論文が出ました。(
Long-term effectiveness of HPV vaccination against HPV infection in young
Japanese women:Real-word data:Cancer Sci.2022 Apr;113(4):1435-1440.)
12〜16歳でHPVワクチンを接種した女性150例の接種後約9年経過後の25〜26歳でのHPV16/18型の感染は認められなかったとの報告です。
他方、HPVワクチン接種をしていない279例では、同時期のHPV16/18型の感染率は5.4%であり、HPVワクチン接種による感染予防効果が有意に持続していることが示されました。
本研究により、セクシャルアクティビティの高い25〜26歳になっても、有効性が持続することが確認されました。
さらには、子宮頸がんの原因と考えられるHPV31/45/52型の感染率も、HPVワクチン接種群ではHPVワクチン非接種群に比べて有意に低く、標的以外のウイルス型にも感染予防効果がある(クロスプロデクション効果)ことも示されました。
2020年のスウェーデンの報告では、17歳未満でHPVワクチンを接種すると、浸潤子宮頸がんが88%減少したと報告されています。(Lei J,Ploner
A,Elftrom KM,et al.HPV vaccination and the risk of invasive cervical cancer.N
Engl J Med.2020;383:1340-1348)
HPV感染は性交によることがほとんどのため、性交経験を持つ前に接種することが最も有効です。
日本においては、積極的勧奨を差し控えるという対策のためにHPVワクチンを接種していない世代がセクシャルアクティビティの高い時期を迎えようとしています。
すでに性交渉の経験があってもHPVワクチン接種は有効です。
キャッチアップ接種の年代の方で、まだワクチン接種をされていない方は、なるべく早い接種が有効です。
浸潤子宮頸がんを発症すると子宮摘出が必要となり、妊娠できなくなります。進行度により、命を落とすこともあります。
自分の健康のため、将来授かる自分の子供のためにも、HPVワクチン接種について考えてください。
2022年6月2日
桜が満開となり天気もよいので、近くの桜並木を散策しました。
新型コロナウィルス感染やウクライナ問題などで心が落ち着かない毎日ですが、晴天の中で咲き誇る桜は心を落ち着かせてくれます。
新型コロナウィルス感染の終息とウクライナ国民の民主的で平和な生活が早く実現されますように願っています。
2022年4月3日
今までこのブログにおいて度々記載していますが、日本ではこの8年間、HPVワクチンの積極的勧奨の差し控えという異常な事態が続いていました。
2022年4月から、ようやく接種勧奨の再開が始まります。
現在は2価・4価ワクチンしか認められていませんが、より効果の高い9価ワクチンの定期接種導入が強く望まれます。
この8年間で接種の機会を逃した方が多数いらっしゃいます。
接種機会を逃した方に対し、公平な接種機会を確保する観点から、従来の定期接種の対象連嶺を超えて接種(キャッチアップ接種)を行うこととなりました。
対象となる方は、誕生日が1997年(平成9年)4月2日から2006年(平成17年)4月1日の女性です。
接種可能な期間は2022年(令和4年)4月1日から2025年(令和7年)3月31日までの3年間です。
過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない方のみが対象です。
合計3回接種となりますので、過去に1回のみ接種を受けた方は残りの2回、過去に2回接種を受けた方は残りの1回を公費で接種を受けることができます。
キャッチアップ接種対象者は16歳以上であることから、本人の同意が必要となります。
当院では4価ワクチン(ガーダシル)を採用しています。
当院での接種を希望の方は、電話(082-276-3977)にて予約をしてください。
(ワクチン予約電話は、月・火・水・金曜日の12時30分から13時30分にお願い致します。)
また、平成9年度生まれ〜平成16年度生まれの女性で、定期接種の対象年齢を過ぎて(高校2年相当以降)HPVワクチン(サーバリックス、ガーダシル)を国内で自費で受けた方は、かかった費用のうち規定の額を払い戻すことができます。詳しい内容は、広島市からの正式な通知がありましたら、お知らせいたします。
2022年3月30日
HPVワクチンの接種を逃した方に接種の機会をご提供します(厚生労働省)
本日で、ロシアがウクライナへの侵攻を開始して1ヶ月となります。
数え切れないミサイルを一般市民の住む市街地に撃ち込む映像を見ると、民間人の殺傷を狙った無差別攻撃にしか見えません。
全く罪のない一般市民や子供達の死亡、戦火に追われて国外に脱出するウクライナの人たち、国を守るために国に残り余儀なく別れる父子の涙、、、心が引き裂かれます。
国際社会の非難を全く気にしないプーチン大統領は正気を失っているとしか思えません。
核兵器や国際条約で明確に禁じられている生物・化学兵器の使用をほのめかしており、このような大量破壊兵器は絶対に許してはなりません。
ロシア国内では報道の厳しい統制で国民をごまかすことができるでしょうが、令和のこの時代に世界の目をごまかすことはできません。
「ウクライナ政府がロシア系住民を弾圧し民族浄化を図っている」
「ウクライナ政府が核兵器を開発していた」
このような侵攻に対しての言い分は、俄には信じられません。
国連総会では、ウクライナの人道危機を議論するための緊急特別会合が再開されています。
G7においてもロシアへの対応が協議されています。
一刻も早いウクライナ国民の民主的で平和な生活が戻ることを祈ります。
無論、ロシアのみならず中国のチベット人やウイグル人に対する行動も注視が必要です。
2022年3月24日
私は、歯車の動きを見るのが好きで、腕時計も機械式を好んでいます。
規則的に動くゼンマイ・歯車はいつまで見ていても飽きません。
コロナの影響で自宅で過ごす時間が長くなりました。
自宅での余暇を楽しむ方法として良いものを見つけました。
様々な機械の動きを木製の模型で再現した組み立てキット「UGears」です。
早速購入しました。
購入した商品の箱の裏面を見て、びっくりしました。
なんとウクライナで制作されたものです。
2週間前まではこれを作成した職人も、現在のような状況になるとは夢にも思っていなかったことでしょう。
その職人さんも現在は愛国心でロシアに対峙しているでしょうし、その家族は戦火にさらされていると思います。
本当に戦争は残酷です。
全く罪のない国民や子供の命を奪う行為は許されません。
一般市民の居住地に砲撃、原発への砲撃など目に余ります。
原発への砲撃や原発の占拠、、、ロシアは本当に核カタストロフィを望んでいるのでしょうか。
コロナ変異株による再流行や原油価格の高騰などで、これから世界経済がどうなるのかも不透明です。
岸田首相もウクライナ侵攻を受けて、国民に「省エネ」を呼びかけています。
自宅で「省エネ」生活をしながら、ウクライナ国民の皆様の一刻も早い民主的で平和な生活を取り戻されることを願っています。
2022年3月4日
UGears(木製組み立てキット)
2022年2月24日、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始しました。
すでに双方で多数の死傷者が出ています。
子どもの死者も出ています。
本日(2022年2月28日)の発表では、子ども14人を含む352人の民間人が死亡、けが人は子供116人を含む1684人に上るそうです。
夫々の国において主義主張はありますが、武力による解決に進むロシアの姿勢は許容できません。
逃げ惑う市民や爆発音に怯える子供の涙を見ると心が痛みます。
何の罪もない一般市民や子供を犠牲にする軍事侵攻を許すことができません。
第二次世界大戦の昭和の時代から、平成、令和と時代は変わっています。
世界が一体となって平和を追求するこの令和の時代に、このような一方的な軍事侵攻が許されるはずがありません。
また、「ロシアは核保有国だ。その戦争に勝者はいない。」と核使用の可能性について言及するプーチン大統領の言葉には背筋が凍ります。
国際法を無視する好戦的な指導者のために、核カタストロフィの危機に人類がさらされています。
ウクライナ国民の皆様の民主的で平和な生活が戻りますように、、、。
2022年2月28日
カーリングのロコ・ソラーレが決勝進出を決めました!!!
一時は1次リーグ通過を諦めたほどの、ギリギリでの準決勝進出でした。
昨日の1次リーグ最終戦で敗れたスイスとの再戦でしたが、接戦を制して見事に決勝進出を果たしました。
雪辱を果たした要因は、藤沢五月選手のスーパーショット連発ですが、その前の吉田夕梨花・鈴木夕湖・吉田知那美の3選手が夫々の役割を考えて勝つための布石を打ったためにスーパーショットが生まれたのだと思います。
見事なチームワークでした。
吉田知那美選手の言葉が印象的でした。
「私たちは上の3チームよりもたくさんの失敗をラウンドロビン(1次リーグ)でしたので、逆にプレーオフでは大きな失敗をすることが少なくなる。なぜならラウンドロビンですべての失敗をしてきたので、私たちが世界チャンピオンであるチームスイスに勝つ術っていうのは失敗したことのある経験を使うしかないと思っていた。心のアドバンテージを感じながら、私たちも勝つチャンスはあるんだって心から信じられた。」
チーム名の「ロコ・ソラーレ」は、「ローカル」と「登呂っ子」から「ロコ」、イタリア語で太陽を意味する「ソラーレ」に由来するそうです。地元登呂から太陽のように輝きを持ったチームになるよう、「太陽の登呂っ子」という意味を込めて名付けたとチームの
ホームページに紹介されていました。
選手達の前向きな考えや笑顔が、オミクロン株の蔓延で暗くなりがちな世の中を明るく照らしてくれます。
「太陽の登呂っ子」ではなく、「太陽の日本っ子」ですね。
2022年2月18日
高梨沙羅選手が、インスタに真っ黒な画像とともに「みんなの人生を変えてしまった」と謝罪の文章を載せています。高梨選手のことがとても心配です。
1回目の103メートルの大ジャンプを失格とされながら、2回目を98.5メートル飛んだことはすごいことだと思います。普通の選手では2回目をとても飛ぶことはできなかったと思います。仲間を思う気持ちがあるからこそ、2回目も見事なジャンプを飛んだのだと思います。
スーツの規定違反は高梨選手の責任ではありません。
インスタの高梨選手の文章を見ると、心が痛みますし、高梨選手のことがとても心配です。
開会式での一直線に歩く一糸乱れぬ行進、ウイグル人女子選手を聖火台点灯役に抜擢する演出、ノルディックスキー・ジャンプ団体競技での5人にも及ぶスーツ規定違反による失格、スピードスケートやスノーボードでの異様とも思われる判定による選手の失格、平野歩夢選手のトリプルコーク1440を含めノーミスのランにもかかわらず91.75点の不可解な低得点、、、今回のオリンピックに対しては、とても暗澹たる気分です。
そのような中で、カーリングの試合だけは清清しい気持ちで観戦しています。
その理由を考えてみると、カーリング競技には審判員の判定が存在しないためだと気づきました。
各自がフェアプレー精神に則り、協力し合ってルールを解釈し、セルフジャッジで競技が進行されるので、勝敗に審判員の裁定が介入しないために安心して観戦できます。
Concede(コンシード)の精神も素敵です。自チームに勝ち目がないと判断して、潔く負けを認めて、相手に握手を求める形で表現する習慣のことを「コンシード」と呼ぶそうです。
ギブアップではなく、コンシード。カーリング競技では、勝つ見込みのない試合を続行することは、相手の技量を自分より下にみていると判断されるため好ましくないとされています。相手チームを故意に邪魔しない、不当に勝つくらいなら負けを選ぶ、相手の術力を認め相手の失礼に当たらないように自らの負けを認めるといったカーリングの精神は素敵です。
カーリングは、技量と同じくらい、しきたりを重んじるスポーツである。うまくいったショットは一つの喜びだが、カーリングの伝統あるしきたりが真に生きているゲームを目の当たりにすることは、それに勝るとも劣らないくらい素晴らしいことである。カーラーは勝つためにプレイするのであって、負かすためにプレイするのではない。真のカーラーは、不正をして勝つくらいなら負けることを選ぶだろう。
良きカーラーは対戦相手の気を散らしたりしない。またそういう行為によって、ベストを尽くそうとしている相手を邪魔したりしない。
いやしくもカーラーたる者は、故意にルールを破ったり、しきたりを辱めたりはしない。しかし、もし偶然そうしてしまい、それに気づいたならば、誰に言われるまでもなく、自ら違反を申し出るものである。
ゲームというものは、プレイヤーそれぞれの技量を明らかににするためにある。しかし同時にゲームの精神について言えば、善きスポーツマンシップ、思いやりある態度、そして誇り高い振る舞いが求められている。この精神は、ルールの解釈や適用のしかたに生かすべきであるのみならず、アイスのうえにあるとなきにかかわりなく、すべての参加者が行いの鑑とすべきものである。
(日本カーリング協会競技規則より)
スポーツマンシップに則り競技しているアスリートに対して、不可解な疑惑の判定があってはなりません。
ロコ・ソラーレの選手たちの明るい笑顔をみると、心が大変穏やかになります。
ロコ・ソラーレ、素敵な笑顔をありがとう!!!
2022年2月14日
オミクロン株の感染力の強さから全国で感染者が急激に増加しています。
まん延防止等重点措置を適用する都道府県も増えています。
感染力の強いウイルスとワクチン接種による抗体が減少する時期が重なり、急激に感染者が増加しています。
オミクロン株の感染増加を防ぐために早急な追加接種(3回目)が必要です。
追加接種が受けられる方は、2回目の接種を終了した日から8か月以上経過した18歳以上の方が対象となります。
しかしながら、急激な感染者の増加に伴い、一部の方は8か月を待たずに前倒しして接種が可能となっています。
一般の高齢者の方は、2回目接種から7か月が経過すれば追加接種可能となっていましたが、広島市では前倒しされ1月24日から1か月短縮され6ヵ月となりました。3月からは64歳以下の方の接種間隔が7か月となるようです。
追加接種用ワクチンの国からの供給は、ファイザー社製と武田/モデルナ社製がほぼ同じ割合となります。
当院ではファイザー社製の追加接種を行いますが、2月〜4月分の分配上限枠がかかっており、当院では174名分の割り当てとなっています。既に174名分の予約枠が埋まり、今後の予約は受け付けできない状況です。
武田/モデルナ社製ワクチンは1バイアルで20回接種分となりますので、20名の予約がないと残った分は廃棄となります。診療所で毎回20名単位の予約を必ず確保することは困難ですので、当院では武田/モデルナ社製のワクチンは取り扱いません。集団接種の利用をお勧めします。
また、1・2回目をファイザー社製ワクチン接種の方が多いのですが、追加接種ではファイザー社製と武田/モデルナ社製がほぼ同じ割合で供給されます。そのため1・2回目はファイザー社製で3回目は武田/モデルナ社製を接種する方が多く出現することとなります。
追加接種については、1・2回目に接種したワクチンの種類に関わらず、ファイザー社または武田/モデルナ社のワクチンを使用することとなっています。すなわち、前回と異なる種類のワクチン接種(交互接種)が認められています。いずれのワクチンを接種しても、抗体価が十分に上昇する報告がなされています。
ワクチンの種類に拘らずに早めの接種をご検討ください。
2022年1月18日(1月24日改変)
新型コロナウイルスワクチンに関する情報(広島市)
追加(3回目)接種に使用するワクチンについてのお知らせ(厚生労働省)
明けましておめでとうございます。
花火も初日の出もきれいでした。
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
オミクロン株の対応で大変な1年の門出となりますが、ワクチンや経口薬の開発も進んでいます。
ヒトとヒトが遠慮なく接することが早く実現しますように!
2022年1月1日
異所性妊娠は全妊娠の1〜2%程度の頻度で発症する比較的多い疾患です。
妊娠反応陽性で、超音波検査で子宮腔内に胎嚢(GS)が確認できない場合は、ごく初期の正常妊娠、流産、異所性妊娠の三者の鑑別が必要となりますが、早期の段階で診断をつけることは無理です。
産婦人科診療ガイドライン産科編2020においても、妊娠4〜5週における無症状の異所性妊娠の診断は極めて困難であるため、上記三者の可能性があることを患者に伝え、1〜2週後に経膣超音波を行うことが勧められると記載されています。
不正出血の症状があっても、妊娠初期では流産と異所性妊娠の鑑別は困難です。
正常の妊娠でも、初診時に胎嚢が見えず、1週間後にはっきりと胎嚢が確認できるケースがよくあります。
妊娠初期は数日間で劇的な変化が起こります。
初診時に診断がつかず、数日後に異所性妊娠の診断がつくことはよくあります。
当院では初診時に妊娠反応陽性で子宮内に胎嚢が確認できない場合は、1週間後の再検査を指示しています。
1週間後の再検査を待たずに症状が急変し、他院にて異所性妊娠の診断を受けることがあります。
このような場合に、初診時に異所性妊娠の診断がつかなかったため、患者やその家族から初診時に見逃した、誤診をしたと責められることが多々あります。
異所性妊娠の診断がつく数日前には分からないことはあり得ます。
初診時に診断ができなかったことは事実ですが、決して見逃した、誤診したのではなく初診時はまだ診断がつけられない状態だったということです。
妊娠初期は数日間で急激な変化が起こることがあることが一般的には理解できないかもしれませんが、産婦人科医の間では共通の認識です。
他院で診断がつけられなかった異所性妊娠を発見した場合、前医が見逃した、誤診したという産婦人科医はいないと思います。
異所性妊娠は初診時の所見では診断がつかず、経過をみないと診断がつかないことが多いことをご理解ください。
また、悪性腫瘍などは早期発見による治療で治すことはできますが、異所性妊娠は早期発見できたとしても治すことはできず経過を見ながら手術を決定することとなります。
2021年12月28日
2021年12月11日、広島ドリーム花火第1景【まちじゅう花火:奇跡の一夜】が開催されました。
午後8時から広島市内15か所、廿日市市内2か所から各75〜225発、合計約1500発が10分間程度一斉に打ち上げられました。
密集を避けるため打ち上げ場所は非公開でしたが、私の自宅からは数か所からの花火が見えました。
「広島みなと夢花火大会」を主催する広島祭委員会などが企画し、コロナウイルスの影響で中止となった花火大会の代わりに、「コロナで疲弊した地域が元気になるきっかけをつくりたい」という思いで開催されました。
冬の夜空を彩る色鮮やかな大輪の花火が各所から上がり、久しぶりにコロナウイルスのことを忘れて幸せな気分になりました。
花火職人や花火に関わる方々の全国での花火大会の中止が相次ぐ大変な状況の中で、地域が元気になるきっかけを作りたいという関係者の強い想いが充分に伝わってきました。
新型コロナウイルスワクチン効果もあり、現在の感染状況は落ち着いていますが、オミクロン株が出現しまだまだ油断ができない状況です。
これからクリスマス・正月と気が緩んだり会食する機会が増えると思いますが、引き続き感染予防対策を十分に取りましょう。
2021年12月11日
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の発生を受け、本日から日本では全世界からの入国を原則停止しています。
感染力、重症度、ワクチン効果の低下など不明の部分も多いのですが、WHOでは「懸念される変異株(Vaniant of Concern)」と位置づけています。
オミクロン株は、ヒトの体内に侵入する際の足がかりとなる「スパイクたんぱく質」にこれまでにない多くの変異を持つのが特徴です。そのため、感染力が高まったり、ワクチン効果を弱めたりする可能性が指摘されています。
これまでの主要な変異株の悪いところを総取りしたような変異株だと指摘する専門家もいます。
前回のブログで、気温が下がり、クリスマス・年末年始で人流が増え、ワクチン効果も弱まる今後、第6波が懸念されることを述べました。それに加えてオミクロン株が入り込むと爆発的な感染を引き起こす心配もあります。
オミクロン株の詳しい性質が判明するまでは、水際対策を徹底して国内への流入を少しでも遅らせる必要があります。
ワクチン効果が弱まりつつある状況の中では、一刻も早く第3回目ワクチン接種を行うとともに、オミクロン株にもワクチンがある程度有効であることを願うばかりです。
感染件数が増えると変異のリスクも増えます。
これまで通り、3密を避ける、手洗いをする、マスクをするなどの感染対策をしっかりと続けましょう。
2021年11月30日
新型コロナウイルスの新規感染者数が、日本では1日当たり100人にも満たない日々が出てきており、小康状態です。
ところが、世界に目を向けると欧州では感染者数がじわじわと増えています。
ドイツでは過去最悪ペースで感染者数が増え続け、18日の発表では過去最多の65,000人以上が新規感染、1日に200人以上が亡くなっています。ドイツのワクチン接種率は、人口の約68%が2回接種を完了しており、決して少なくありません。
人口約1,700万人のオランダでは、19日の発表では新規感染者が21,000人を超えています。
フランスでは1日約20,000人、ベルギーでは1日約10,000人の新規感染者が出ており、オーストリアでは全土ロックダウンという状況です。
思っている以上にワクチンの抗体が長続きしていないようです。
欧州では日本より2か月早くワクチン接種を開始しており、時間の経過とともに抗体が減少し感染予防効果が落ちたためと考えられます。
2か月後には日本において第6波が襲来する可能性が十分に高く、第3回目の追加接種を急ぐ必要があります。
当院でも追加接種の準備をしていますが、政府は第3回目を第2回目から8か月後とせずに前倒しを行わなければ第6波を防ぐことができないように思います。
これから気温が下がり、空気が乾燥すると、ウイルスの生存率も高まり、長時間にわたり空気中を漂い、ウイルスの活動も活発になります。
約68%が2回接種完了しているドイツでは1日に200人以上が亡くなっているのが現状です。
ワクチンを接種しているから重症化しない、感染者数よりも重症者数が大事という「ワクチン神話」に浮かれることなく、第6波に備えて万全の対策を取る必要があります。
これから、クリスマス、お正月と気が緩みがちな季節となりますが、1人1人の行動が第6波を防ぐ鍵となります。
2021年11月24日
本日、厚生労働省の副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が合同開催され、『積極的な勧奨を差し控えている状況を終了させることが妥当である』と結論されました。
2013年6月から差し控えられていたHPVワクチンの積極的勧奨が8年半の歳月をかけてようやく再開されることとなりました。
日本では毎年、約10,000人が子宮頸がんになり、約3,000人が亡くなっています。
北海道大学大学院医学研究院のSharon Handley特任講師らの研究グループは、2013年から2019年の間の「積極的勧奨の中止」により接種率が1%未満となっており、接種率が約70%に維持された場合と比較すると1994年から2007年に生まれた女性では、一生涯のうちに24,600〜27,300人が超過罹患し、5,000〜5,700人が超過死亡すると予測しています。
積極的勧奨を差し控えるという曖昧な政策で、この8年以上の間でワクチンを受ける機会を失した人が多数います。
自分が無料接種の対象であることさえ知らずに接種のチャンスを失った人が多数います。
世界中で日本だけが有効で安全性の高いHPVワクチンがうたれない異常事態が続いています。
この8年間の間で、ワクチン接種により本来なら防げるはずの子宮頸がんでの子宮摘出や死亡数が増えることが残念でたまりません。
この8年以上の間に接種のチャンスを逃した女性に対して、無料接種の再チャンス(キャッチアップ接種)を与える救済措置も必要です。
さらには、より効果の高い世界標準である9価ワクチンを定期接種に取り入れる必要があります。
2021年11月12日
HPVワクチンの積極的勧奨中止で1万人超の死亡と予想〜2020年中に接種率を70%まで回復できれば、80%の命を救える可能性〜(北海道大学新着情報)
HPVワクチン定期接種の積極的勧奨再開が決まりました(日本産婦人科医会)
2021年11月1日の広島湾の朝焼けは奇麗でした。
現在、英国・グラスゴーにおいてCOP26が開催されています。
「Turning point for humanity(人類のターニング・ポイント)」とも言われているCOP26です。
地球の温暖化が進み、地球は瀕死状態です。
このような奇麗な朝焼けを後世に残す必要があります。
温室効果ガスの排出削減は、全世界が一刻も早く取り組むべき課題です。
先進国と途上国で溝があり、先進国の中にも自国の経済を優先し炭素排出量削減に積極的でない国もあるようです。
世界が一丸となり、ネットゼロ(CO2排出実質ゼロ)に向けて邁進する必要があります。
人間のエゴで地球を滅ぼすようなことがあってはなりません。
2021年11月1日
2021年10月1日、厚生科学審議会副反応検討部会が開催され、HPVワクチンに関する課題への対応、「現在、HPVワクチンの定期接種の積極的な勧奨が差し控えていること」についての検討がなされました。
これを受けて、日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会より、「日本の女性を子宮頸がんから守るための声明」が発出されました。
この8年間、「積極的な勧奨を差し控える」という厚生労働省の曖昧な対応で、ワクチンを受ける機会を失ってしまった女性が多数います。
「積極的な勧奨をを差し控える」=「ワクチン接種を中止する」と思われている保護者の方がおられます。定期接種であることの位置づけには変わりなく、国が接種を中止したわけでは決してありません。
さらには、積極的勧奨を差し控える政策により、HPVワクチンの存在そのものも知らない方もいらっしゃいます。
検討部会において、「積極的な勧奨を差し控えていること」への検討が開始されたのは喜ばしいことですが、結論が出るのはまだ先のようです。
ネットではワクチンに対しての様々な情報が提供されています。
私のブログでもHPVワクチンに対する問題に何回も触れてきています。
SNSでの出典が不明の情報に惑わされないでください。
何度も言っていますが、科学的根拠のある信頼のおける情報で判断してください。
医師や議員の肩書のある人が言っている意見が必ずしも正しいとは限りません。
報道や雑誌での記事、査読前の論文が必ずしも正しいとは限りません。
複数のグループの査読を経た論文として公表した結果が、最も真理に近いものです。
2021年10月30日
本日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会をうけて、日本の女性を子宮頸がんから守るための声明(日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会)
HPVワクチン、なぜ8年間も「空白」が放置されたのか?感染症学が専門の森内浩幸さんが振り返る(BuzzFeed News)
HPVワクチン積極的勧奨の差し控えの後 まともな検証は行われてきたのか?(BuzzFeed News)
メディア、政治、行政、、医療者の責任は?日本でなぜHPVワクチンはうたれなくなったのか(BuzzFeedNews)
HPVワクチン接種率の激減によって増加する子宮頸がん罹患。死亡者の推計人数(大阪大学研究専用ポータルサイト)
HPV Vaccination and the Risk of Invasive Cervical Cancer(The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE)
当院では、妊娠中の方および配偶者等への新型コロナワクチン接種を行っていますが、思ったほど希望者がいない状態で戸惑っています。
トップページと診療案内のページに当院でのワクチン受付可能人数を示していますが、受付可能0の日に予約の充足が見込まれないために0としている日も多くあります。
ワクチン1バイアル6名分が確保できないと接種できませんので、6名の確保ができそうにない日は残念ながら0としています。
さらには、希望者数が少なく1バイアル6名分の確保ができない日が続いています。ご予約いただいた方に6名の確保ができないために曜日の変更や他施設での接種をお願いする事態となりました。この理由で、2022年11月1日より当院での予約は中止としました。
当院にて妊婦健診中の方にも接種をお勧めしていますが、何となく怖いから受けないという方も多くいらっしゃいます。
妊娠中に感染を起こすと重症化しやすいという報告が出ています。
重症化を起こすと肺炎になります。肺炎になると酸素の取り込みができなくなりますので、血中の酸素濃度は低下します。胎児は自分で呼吸ができませんので、母体血中の酸素濃度が胎児の酸素濃度となります。従って、胎児も低酸素状態となります。
早産や分娩時に胎児心拍数が下がり胎児が危険な状態になった時に、産科医は先ず胎児が低酸素状態にならないようにすることを考えます。
すなわち、胎児の低酸素状態は胎児にとって非常に危険な状態です。
母体が肺炎を起こし低酸素状態になることは、胎児にとっても非常に危険な状態となるということです。
妊婦に限らず、感染を起こさない、重症化を起こさないことが最重要です。
治療薬がない現段階では、ワクチン接種が最も重要だと私は考えています。
昨日、妊娠中のワクチン接種を希望された方から、主治医から早産を起こしかかっているのでワクチン接種中止するように言われたとキャンセルの連絡が入りました。主治医の指示なので仕方のないことですが、私は非常に残念に思いました。
副反応の有無にかかわらず、妊娠の異常(流産、早産、その他)の頻度はワクチンを打たなかった妊婦と同じであると報告されています。
重症化し肺炎を起こして早産すると、胎児は低酸素状態の危険な状態で出生することとなります。
妊娠後期に感染すると早産率が高まり、一部は重症化する報告があります。
早産で低出生体重児を分娩する危険性のある切迫早産の妊婦こそ、積極的にワクチン接種すべきだと私は考えます。
何となく怖そうなので接種しないのではなく、万一肺炎を起こして低酸素状態で苦しい状態となるお腹の中の我が子のことも想像してよく考えてください。
2021年9月30日
新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンについて(第2報)(日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会・日本産婦人科感染症学会)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策〜妊婦の方々へ〜(厚生労働省)
私は妊娠中・授乳中・妊娠を計画中ですが、ワクチン接種をすることができますか(厚生労働省)
いよいよ明日の30日の期限をもって、19都道府県に発令中の緊急事態宣言と8県に出されたまん延防止等重点措置が全面解除されます。
4月4日以来、約半年ぶりに全国において緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が出ていない状況となります。
感染力の強いデルタ株が猛威を振るった第5波がピークを過ぎて収まりつつあるのは事実です。
感染者が減っているのは、ワクチン接種率が上がったのも要因と思われますが、緊急事態宣言を受けて、特に飲食業の方々の協力のもと、人との接触を減らす努力をしたことが大きいと思います。
しかしながら、治療薬が開発されたわけではなく、第6波の到来も予見される状況です。
日常生活の回復を目指すことも大事ですが、引き続きの感染予防対策は必要です。
今回の第5波では、本来なら入院すべき人が医療ひっ迫のため自宅療養を強いられるケースが多くありました。必要な医療を受けられず失われる命がありました。このような危機的状況を繰り返さないような体制作りが必要ですが、急に病床の増床や看護師などの人材確保することは困難です。
現時点では、重症化を防ぐことが重要と思います。そのためには、ワクチン接種は重要な手段です。
国内でのワクチン製造や治療薬が開発されるまでは、気を緩めず感染予防対策に努めましょう。
2021年9月29日
2021年7月5日のブログで記載した通り、産婦人科の仕事をしていると、どうしても避けられないこととして流産があります。
妊娠12週までの早期流産は妊娠全体の15〜20%に発生しますので、約5人に1人の割合で早期流産は起こります。
流産の診断がついた場合は、その後の対処法として、待機的管理と外科的治療(子宮内容除去術)があります。
待機的管理と外科的治療の利点・欠点としては以下が考えれます。
|
外科的治療 |
待機的管理 |
利点 |
・早期に流産が解決できる
・日常生活への復帰のめどがつきやすい |
・自然な回復を望める場合が多い
・手術および麻酔に関連したトラブルがない |
欠点 |
・手術や麻酔に対する恐怖と、処置に関連したトラブルが起こりえる
・子宮穿孔や子宮頸管裂傷のリスクがある |
・多量出血や強い下腹痛を伴うことがある
・いつ流産が進行し始めるか予測ができない
・子宮内容遺残により最終的に手術を要することがある |
当院では、麻酔に伴うトラブルや子宮穿孔時に緊急開腹手術が必要となることもあり、医療安全の観点から外科的治療を希望される場合は、麻酔科のある開腹手術設備の整った総合病院での手術をお勧めしています。
待機的管理の場合は当院にて経過観察をすることとなります。
流産が進んだ場合は、子宮内容物を排出するため子宮収縮が起こり強い下腹痛を伴うことがあります。陣痛と同じ原理です。出血も月経より多く出る場合もあります。強い下腹痛と多量出血を伴う場合がありますが、子宮内容物が排出されると治まります。分娩と同じ原理です。
強い下腹痛や多量出血がある場合に、救急車を要請する方がいらっしゃいます。
決して救急車は要請しないでください。正常分娩時の陣痛で救急車を呼ぶのと同じことです。
流産の進行により命を落とすことはありません。救急車で救急搬送されても、基本的には流産が終わるまで経過をみることとなります。緊急手術や救命処置の必要はありません。
流産で救急搬送される間に、他の本当に救命処置を必要とする方の救急搬送の対応が遅れてしまいます。
正常分娩では、陣痛があってもわが子に会える楽しみがあるため、何とか痛みに耐えられるかもしれません。
流産時の痛みは、流産という悲しい結果が待っているため、痛みに耐え難いかもしれません。
しかしながら、はたして救急車を呼ぶ必要があるのか、緊急性があるのか、よく考えて行動してください。
2021年9月15日
2021年8月30日、自民党のHPVワクチンの積極的勧奨再開を目指す議員連盟から、HPVワクチンの積極的勧奨再開を求める要望書が田村厚生労働大臣と加藤内閣官房長官宛に提出されました。
日本産科婦人科学会では、3年前に
積極的勧奨再開の要望書を提出していますが、なんの動きもありませんでした。
今回の議員連盟からの要望書を受けても、田村厚労相は「積極的勧奨をいつまでに再開するとは申し上げられない」と未だに逃げ腰で判断を見送る状況です。
毎年10,000人が子宮頸がんにかかり、3,000人が命を落としています。
2013年に積極的勧奨を差し控えてから8年が経過しています。その間、国内外からHPVワクチンの安全性および有効性に関するデータが蓄積されています。この8年間で本来ならHPVワクチンで子宮頸がんから救える命をいくら失うのでしょうか。
一刻も早くHPVワクチンの積極的勧奨を再開し、子宮頸がんで失う子宮や落とす命が1人でも多く減ることを強く望んでいます。
当院では、高校1年生の方が接種する件数が昨年と比べるとずいぶん増えてきました。
また、定期接種に組み込まれていない9価ワクチン(シルガード9)の接種を受ける人も増えています。
自分の健康のことを真剣に考え、HPVワクチンの接種を受ける方が増えていることを嬉しく思っています。
十分な抗体を獲得するためには、3回の接種が必要です。
6ヵ月で3回の接種が必要なため、現在高校1年生相当の方は9月中に第1回目の接種をしないと3回目が来年3月に終了しません。来年4月を過ぎると定期接種年齢から外れるため無料での接種はできなくなります。
最短で4か月間で接種することも可能ですので、高校1年相当の方は11月までに第1回目の接種をすれば定期接種で無料で接種可能です。
現在、高校1年相当の年齢の方は、HPVワクチン接種についてもう一度よく考えてください。
中学3年生までの方は9価ワクチンが定期接種に適用されるまで待ってもいいかもしれませんが、積極的勧奨の再開についても逃げ腰の厚生労働省の動きでは、9価ワクチンが定期接種に適用されるのは、まだまだ先のようです。
接種勧奨中止によりHPVワクチンに関する情報が届かず接種機会を逃した女性のために、高校3年生までが定期接種として接種できるように接種期間延長の要望書も日本産科婦人科学会から提出されています。
私のブログでも今まで多くのHPVワクチンに対する情報を提供しています。
ネットではワクチンについての様々な情報が氾濫しています。
医師・議員等の肩書を持っている人の主張することが、必ずしも正しいとは限りません。
複数のグループの査読を経た論文として公表した結果が最も真実に近いものです。
どうか科学的根拠のある、信頼のおける情報で判断してください。
2021年9月11日
HPVワクチンの積極的勧奨 田村厚労相「いつまでにとは申し上げられない」と判断を先送り(BuzzFeedNews)
「年間3千人近くの命が失われている現状、看過できない」HPVワクチンの積極的勧奨の再開、厚労相らに申し入れ(BuzzFeedNews)
HPVワクチンの定期接種期間延長とその周知に関する要望書(日本産科婦人科学会)
メディア、政治、行政、、医療者の責任は?日本でなぜHPVワクチンはうたれなくなったのか(BuzzFeedNews)
子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために(日本産科婦人科学会)
HPVワクチン最新情報(浸潤子宮頸がんの減少効果や9価HPVワクチンについて)(日本産科婦人科学会)
みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト
HPVワクチン接種率の激減によって増加する子宮頸がん罹患。死亡者の推計人数(大阪大学研究専用ポータルサイト)
2021年9月4日、広島湾に花火が上がりました。
広島のみなさんを花火で全力応援し、夏の夜空を彩る大きな花火を通じて、広島県内が少しでも明るく、そして広島のみなさんが少しでも笑顔になることを願ってのテレビ新広島の企画でした。
久々に大きな花火を見て、少し元気が出ました。
今年も新型コロナウイルス感染症の影響で、広島みなと夢花火大会、宮島水中花火大会が中止されました。
みんなで肩を寄せ合いながら、歓声を上げながら花火を楽しめる日が来ることを願っています。
新型コロナウイルス感染症と闘う日はまだまだ続きますが、ワクチン接種は重症化予防の有効な手段だと考えています。
少しでも貢献できるように、私は毎週日曜日にワクチン集団接種のため出務しています。
ネット上では、ワクチンについての色々な情報が氾濫していますが、科学的根拠のある信頼のおける情報で判断してください。
2021年9月4日
広島市では、妊娠中の方および配偶者への接種を速やかに勧める事業が開始されました。
当院では、妊娠中の方および配偶者等へのワクチン接種を開始します。詳しい内容は、トップページ・診療案内のページに掲載しています。
当院で妊婦健診中の妊婦様に伺うと、接種について迷っている方が多くいらっしゃいます。
8月17日のブログで述べ通り、日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会・日本産婦人科感染症学会では、妊婦へのワクチン接種を推奨しています。
デルタ株の感染力の強さから、若い年代の感染が激増しています。
それに伴い妊婦の感染も急激に増えています。妊婦の新型コロナウイルス感染では入院が原則ですが、医療がひっ迫している現状では、自宅療養や宿泊療養となる妊婦も増えています。
妊娠中に感染を起こすと、重症化しやすい、早産を起こしやすい等のリスクがあります。
感染を防ぐ、重症化を防ぐためにワクチン接種を受けることは、有効な手段です。
ネット上では、色々な情報が氾濫していますが、 ネットでの情報は玉石混淆です。科学的根拠のある信頼のおける情報で判断してください。
2021年9月4日
妊娠中の方とその配偶者等への接種について(広島市)
新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンについて(第2報)(日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会・日本産婦人科感染症学会)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策〜妊婦の方々へ〜(厚生労働省)
私は妊娠中・授乳中・妊娠を計画中ですが、ワクチン接種をすることができますか(厚生労働省)
2021年8月17日、千葉県内で新型コロナウイルス感染で自宅療養中の妊娠8か月の妊婦が自宅分娩に至り、新生児死亡を起こすという痛ましい事例が発生しました。
かかりつけ医や保健所などで入院調整を行ったが対応できる医療機関が見つからず、入院調整に時間がかかり自宅分娩に至ってしまった事例です。
このようなことは千葉県に限らず、日本全国で起こりうることです。
感染力の強いデルタ株の爆発的感染拡大で、若い世代を中心に過去最高を更新する状態で感染者が増加しています。
医療体制がひっ迫して危機的状況のため、入院ができず自宅療養や宿泊療養となる妊婦も増えています。
何よりも、感染を防ぐ、重症化を防ぐことが重要です。
先ず、ワクチン未接種の妊婦の方は、ワクチン接種を受けてください。
また、妊婦感染の約8割は夫やパートナーからの感染ですので、夫やパートナーも必ずワクチン接種を受けてください。
妊婦のいる家庭内にウイルスを持ち込まないよう、最大限の努力をしてください。
8月17日のブログでお知らせした通り、妊娠週数に関係なく妊婦へのワクチン接種は可能です。
本日、日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会から「新型コロナウイルス感染で妊娠中に自宅や宿泊療養(ホテルなど)となられた方へ」のリーフレットが発出されました。
自宅や宿泊療養となった場合の入院が必要となる基準や救急車を要請する基準が示されています。
このリーフレットの活用が不要となることが一番です。
ラムダ株も出現し、ますます感染力の強いウイルス感染が拡大する恐れもあります。
感染拡大を防ぐためには人の流れを抑制し、人との接触を極力避けるしかありません。
8月20日より広島県でも「まん延防止等重点措置」が適用されています。
2021年8月23日
新型コロナウイルス感染で妊娠中に自宅や宿泊療養(ホテルなど)となられた方へ(日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)第5波の爆発的な感染拡大により、若い世代を中心に過去最高を更新する状態で増加しています。それに伴い、新型コロナウイルス陽性妊婦も急増しています。
不安を抱えながら生活を送っている妊婦様が多いと思います。
前回のブログで報告した通り、先ずはワクチン接種を受けてください。また、妊婦感染の約8割は夫やパートナーからの感染のため、夫やパートナーのワクチン接種も受けてください。
現時点での新型コロナウイルス陽性妊婦の管理、出生した新生児の管理についてお伝えします。
厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き第5.2版」では、妊娠後期は重症化リスク因子であると示され、妊婦は入院勧告の対象とされています。
一方、厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」では「病床確保や都道府県全体の入院調整に最大限努力したうえで、なお病床がひっ迫する場合には、@からGのいずれか(Dが妊婦)に該当する場合であっても、医師が入院の必要がないと判断した場合には、かつ宿泊療養(適切な場合は自宅療養)において丁寧な健康観察を行える場合には、宿泊療養・自宅療養としても差支えない」とされています。
第5波の爆発的感染の中では、入院医療機関がひっ迫している状況で、妊婦であっても宿泊療養・自宅療養となることがあります。無症状/軽症の場合、妊娠初期/中期では、妊婦の不安に寄り添いながら、日々の健康チェックを電話等で実施し、宿泊療養・自宅療養で対応することもあります。
新型コロナウイルス陽性妊婦から出生した新生児を、新生児科で受け入れできないため妊婦の搬送先が決まらない事例が発生しています。厚生労働省から発行された診療の手引きには、新型コロナウイルス陽性妊婦から出生した新生児の扱いについての記載がありません。
現時点では、2020年10月に発行した日本新生児成育医学会の「新型コロナウイルス感染症に対する出生後早期の新生児への対応について」に基づく対応となります。
1)新型コロナウイルス陽性妊婦から出生した新生児は、出生直後から母親から新生児を隔離し、保育器隔離もしくはコホート隔離することにより、新生児は濃厚接触者扱いとはならない。ただし、分娩時に妊婦が新型コロナウイルス陽性であることを知らずに早期母子接触や直接授乳などすでに濃厚接触している場合は、新生児を濃厚接触者として扱う。
2)分娩直後から新生児を適切に隔離しておけば、母子間の垂直感染もしくは水平感染は稀であると考えられる。しかしながら、可能性が全くないとは言えないため、生後24時間以内と48時間以降の2回PCRまたはLAMPなどの核酸増幅検査(鼻咽頭ぬぐい液が推奨される)を行い、2回陰性が確認できれば、保育器隔離やコホート隔離は解除できる。出生直後は陰性でもその後に陽性となる報告があることから、生後24時間以内と48時間以降の2回検査が推奨されるが、事情がある場合は24-48時間の検査1回でも許容される。
保健所等で、新型コロナウイルス陽性妊婦から出生した新生児を濃厚接触者扱いにするように指導してるところがあるようですが、その根拠となる厚生労働省からの通達や関連学会からの指針はありません。
2021年8月18日
2021年8月14日、日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会・日本産婦人科感染症学会から、新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンについて(第2報)が出ました。
2021年6月17日の第1報では、「日本においても、希望する妊婦さんはワクチンを接種することができます。」の表現でしたが、第2報では「わが国においても、妊婦さんは時期を問わずワクチンを接種することをお勧めします。」と積極的に接種を勧める表現になりました。
また、妊婦が感染する場合の約8割は、夫やパートナーからの感染のため、妊婦の夫やパートナーの方への接種も推奨されています。
当院でも妊婦健診時にワクチンを接種してよいかの質問をよく受けますが、妊娠中は重症化しやすいこともあり、接種を勧めています。
また、厚生労働省からの「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策〜妊婦の方々へ〜」のリーフレット、および新型コロナウイルスワクチンQ&Aの関連部分も改訂されました。
2021年8月17日
新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンについて(第2報)(日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会・日本産婦人科感染症学会)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策〜妊婦の方々へ〜(厚生労働省)
私は妊娠中・授乳中・妊娠を計画中ですが、ワクチン接種をすることができますか(厚生労働省)
南米などで感染が広がる新型コロナウイルスの変異株「ラムダ株」が国内で初めて確認されました。
先日まではデルタ株(インド株)が入り込んだことが問題になっていましたが、デルタ株は感染力の強さから一気に全国に拡大しています。
ラムダ株の性状が詳しく分かっていませんが、コロナウイルスは次々と変異を起こし感染力を強めながら生き残っています。
日本国内では総感染者数がついに100万人を超え、死亡者数も1万5千人に達しています。
新規感染者数も1万5600人を超え、過去最多となっています。
感染力の強いデルタ株も原因ですが、オリンピックの開催と同時に新規感染者数が急増しています。
緊急事態宣言、まん延防止等重点措置を発令しても、人の流れは抑制できていません。
オリンピックでのアスリートの真剣勝負を観るのは楽しみですが、本当に無観客??という会場もあります。
自粛疲れも加わり気が緩んでいます。
治療薬がない現在では、不要不急の外出・移動を徹底しないと感染拡大は防ぐことができません。
東京では4515人の新規感染が出て7日間平均は前の週の152.7%となり、感染の急拡大が止まらない状況です。
年代別をみると20代が34%、30代が21%、40代が16%と約7割が20代から40代です。
感染経路では家庭内が6割です。
家庭内に持ち込み、大切な家族に感染を拡げる危険性が高まっています。
治療薬がない現在では、1人でも多くのワクチン接種をする必要があると考えます。
各医療機関では個別接種としてワクチン接種に協力していますが、供給の制限がかかり接種計画を立てることが困難な状況となっています。
残念ながら当院では新規接種の受付を中止しました。
接種の済んでない方は、集団接種での予約をとり、早く接種されることをお勧めします。
私も集団接種に協力するため、毎週日曜日に出務しています。
2021年8月7日
新型コロナウイルスのワクチン接種予約について(広島市)
2021年7月19日、日本産婦人科感染症学会から、新型コロナウイルスワクチン(mRNAワクチン)についての質問と回答のまとめがホームページに掲載されました。
妊娠中・授乳中の接種、これから妊娠を考えている方への接種、女性への接種について科学的根拠に基づき回答されています。
特に若い女性の方は、「不妊になる」、「流産する」、「遺伝子に入り込む」などのデマ情報に惑わされないでください。
何度も述べていますが、私は、感染が最も多く、また感染源となる活動範囲の広い若者こそがワクチン接種する必要があると思っています。
自分は重症化しなくても、自分が家庭内や周囲の人に移してしまい大切な人の命を奪うこともあります。
2021年7月21日
女性のみなさまへ 新型コロナウイルスワクチン(mRNAワクチン)Q&A(日本産婦人科感染症学会)
夫も兄もコロナで死んだ「私が殺したんや」自分を責める日々 (NHK NEWS WEB)
故郷に戻れず逝った父 (NHK 特設サイト)
現在、各医療機関で個別接種として新型コロナウイルスワクチン接種を行っています。
今までは希望分のワクチンの入手ができていましたが、国からのワクチン供給量が急減しており、今後は各医療機関が希望する量の供給ができなくなる可能性があります。
当院では9月初旬まで予約がいっぱいになっていることもあり、早期の接種と確実に供給が保証されている集団接種会場での接種をお勧めします。
64歳以下の方は、一部の対象者を除いて7月31日から集団接種の予約受付が開始されます。
なるべく早く予約をとって、接種を終了させることをお勧めします。
特に若い方は、2021年6月28日のブログで述べていますが、根拠のないデマ情報に惑わされないでください。
「新型コロナワクチンが卵巣に蓄積、不妊症の原因に」、「一生妊娠できなくなる」、「流産する」、「自分の遺伝子に変異を及ぼす」等の根拠のない情報に惑わされないでください。
私は、感染が最も多く、また感染源となる活動範囲の広い若者こそがワクチン接種する必要があると思っています。
私も集団接種に協力するため、毎週日曜日は必ずどこかの会場に出務しています。
日曜日に集団接種を受ける方は、どこかの会場でお会いできるかもしれませんね。
2021年7月16日
なお、2021年7月26日、広島市よりワクチンの供給制限がかかりました。
当院では、今まで月・火・水・金曜日に6名の新規受付をしていましたが、週24名分のワクチン確保ができなくなりました。
ワクチン供給の見通しが立たず、接種計画が立てられなくなりましたので、当院では新規受付を中止します。
2021年7月27日
新型コロナウイルスのワクチン接種予約について(広島市)
明日、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が広島訪問されるようです。
7月16日は国連で採択された「五輪休戦決議」の期間が始まる日で、それに合わせて来広されるようです。
2019年11月24日のブログに書いているように、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が広島に訪問された時は、素直に歓迎できましたし感動も覚えました。
しかしながら、今回のバッハ会長の来広は歓迎する気になりません。
東京では新規コロナウイルス感染者が1,000名を超える事態となっており、都道府県を跨いでの移動は避けるように言われています。
東京では12日から緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出や旅行などは控えるよう求められています。
バッハ会長1人で来広されるのなら何とか我慢できますが、緊急事態宣言の中を多くのIOC関係者や報道関係者が東京から押し寄せることとなります。
今回の来広は、政治的パフォーマンスにしかすぎないように思えます。
現在、広島県では新規コロナウイルス感染者が数名から10人台で推移しており、広島県民は必死にコロナウイルスと闘っています。各都道府県でもデルタ株の猛威に対抗すべくコロナウイルスと必死に闘っています。
オリンピックではアスリートの真剣勝負を素直に応援したいのですが、IOC役員、スポンサーなどの行動をみると複雑な気持ちとなります。
2021年7月15日
オリンピックファミリーをよく載せるタクシー運転手「勝手にやってろ、ですよ」(Microsoft News)
2021年7月1日より母性健康管理指導事項連絡カードの様式が改正適用されました。
母性健康管理指導事項連絡カードとは、事業主が、妊娠中や出産後の女性労働者に対して、母性健康管理の措置を適切に講じるために、主治医等による指導事項の内容が的確に伝達され、講ずるべき措置の内容が明確にされるために、記載様式を定めたものです。
診断書に代わる正式な証明書類として扱われ、事業主はカードに記載された事項については順守する必要があります。
先日も、妊娠初期の方で妊娠悪阻(つわり)でかなり辛そうな妊婦さんが来られました。切迫流産の症状もあり、自宅療養を勧めました。その上司から「私の妻は何とも無かった」「妊娠は病気ではない」「仕事を止めたら」等と言われており、未だにハラスメントを平気で行う職場があるのだと、開いた口が塞がりませんでした。
働く女性の権利は、男女雇用機会均等法により守られています。
妊娠中や出産後1年以内の女性労働者で母性健康管理措置の申出や職場の対応などでお悩み、お困りの方は、
都道府県労働局雇用環境・均等部(室)にぜひ相談してください。
2021年7月12日
母性健康管理指導事項連絡カード
母性健康管理指導事項連絡カードについて(厚生労働省委託 母性健康管理サイト)
妊娠・出産等に関するハラスメントの防止措置の内容について(厚生労働省)
産婦人科の仕事をしていると、どうしても避けられないこととして流産・死産があります。
新しい生命を宿し将来のわが子との生活に想像を膨らませ楽しみにしているご両親にとっては、突然に起こるつらい現実です。
流産に関しては、治療法も予防法もなく誰にでも起こりうることなのですが、本当につらい現実です。
妊娠12週までの早期流産は妊娠全体の15〜20%に発生しますので、約5人に1人の割合です。死産も約50人に1人の割合です。
私自身も流産・死産の患者様をたくさん診ていますが、毎回つらく悲しい思いです。
ご両親にとっては授かった大切な命ですので、早期流産は5人に1人おこるのだから「よくあること」、「次があるから」と安易に言えません。
産婦人科医として40年仕事をしてきましたが、未だに授かった大事な命を失う失望感に対してどのように接すればよいのか模索しています。
でも、これだけは言えます。流産・死産になっても決してご自身を責めないでください。生活習慣や食習慣、妊娠前後に服用した薬、仕事の状況や安静の程度が流産の原因でなったのではありません。
ピンクリボンは乳がんの早期発見・啓発、グリーンリボンは移植医療の普及のシンボルです。
ピンク&ブルーリボンをご存じでしょうか。
毎年10月9日から15日までを赤ちゃんを亡くした家族のための国際的な啓発週間「Baby Loss Awareness Week」としています。この啓発がピンク&ブルーリボンです。
最近、「産声のない天使たち」という本を読みました。
「赤ちゃんの死」を丹念に取材したルポタージュで、考えさせられること、参考になることがたくさんありました。
命が誕生することは奇跡の連続であること、自分もたくさんの奇跡が重なって生まれたのだということを念頭に、流産・死産を経験しつらい思いをしている方々に接していきたいと思います。
ワクチンでのブログでも述べましたが、妊娠・分娩に関してもSNS上で様々な情報が提供されています。
ネットでの情報は玉石混淆です。
科学的根拠のある信頼のおける情報で判断してください。
また、現在のイベント化された分娩には疑問を持っています。
大切なわが子の生命を誕生させるために、豪華なフルコース料理や華美なアメニティ・エステが必要でしょうか?
自然が一番で医療介入を排除した分娩が安全でしょうか?
奇跡の連続で誕生する大切なわが子の命のことを最優先に考えてください。
2021年7月5日
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